夜間十分に寝ていても日中の覚醒維持が難しい(眠たい)などの症状が出た時に「何科を受診したらいいんだろう?」と考えている方へのメッセージです。
グーグルで「過眠症 何科」で検索すると、
過眠症で受診するなら、脳神経内科、精神科・心療内科、または睡眠専門医(睡眠外来・睡眠クリニック)が適切です。
とグーグルのAIが表示します。
その人の症状や居住地、環境等によって、どの科が適切か一概に言えないのが実情ですが、個人的経験則から言えば「精神科」または「心療内科」が無難だと感じています。
なぜか。
過眠症の場合、多くはその病気と長く付き合っていくことになります。例えば睡眠時間を1日1時間多くとることで早期に解決するのであれば、症状的には過眠症というより多くは睡眠不足だったことになります。
過眠症の病気と長く付き合う場合、社会保障制度が活用できるかと言う点が重要となってきます。「社会保障制度を詳しく知っていて、自分に過眠症状が出ててどの社会保障制度が使えるからこうしよう」っていう人は、まぁ、極めてまれだと思います。知らないのが普通だと思います。
上で、「個人的経験則から言えば『精神科』または『心療内科』が無難だと感じています。」と書きました。この理由をこれから書いていきたいと思います。
まず、社会人の方で健康保険と厚生年金に加入している方は、過眠症状で会社を退職しようか迷ってたら、会社を退職する前に「精神科」または「心療内科」を受診してください。「初診日に厚生年金だった」場合、障害年金が2階建てでもらえる可能性があるためです。会社を退職後、国民年金になった後で初診日を迎えると、障害年金がもらえても1階の基礎年金だけとなります。ましてや国民年金に未納等があれば、障害基礎年金さえもらえない場合もあります。
なので、社会人の方は会社を退職する前に受診してください。このことで、可能性の幅が広くなります。後述しますが、障害年金の2級を受給できれば、生活保護制度上の加算があります。
次に、なぜ「精神科」または「心療内科」なのかです。それは、過眠症単体で障害年金や障害者手帳をもらうことのハードルが高いためです。一言で過眠症と言っても、その内訳は様々です。原因も様々です。うつなどから派生する過眠症の場合、障害年金や障害者手帳の取得のハードルが下がります。
精神科や睡眠障害あるあるなのですが、「診断名が病院や医師によって変わる」ことは割とあります。「ある病気の診断基準に該当すること」と「本当にその病気なのか」は必ずしも一致せず(もちろん、一致する場合も多いです)、疾患が複数の診断基準に当てはまるケースはあります。
また、うつなどから派生する過眠症の場合、精神科や心療内科で障害者の自立支援医療の対象となる可能性があり、この対象となると、月額の上限額が2,500円や5,000円、10,000円となった上で、精神通院の医療費(診察や薬代)が1割負担となります。
過眠症の薬には、薬価が高いものもあります。自立支援医療の対象とならず(3割負担となり)、月10,000円を超える負担をしている方もおられ、上限額がある1割負担は非常に助かるものとなります。
障害者手帳は障害年金よりは判定が優しいと言われています。「障害者手帳2級取れたが障害年金2級はダメだった」という話はたくさんあります。障害者手帳にはメリット・デメリットがありますが、「デメリット場面では出さなければ良い」と割り切ることができれば、持っていることでの不利益は考えにくいです。どんなメリットがあるかというのは、障害者手帳を紹介しているサイトをご覧になった方が良いと思いますので、ここでは割愛します。
社会人で働いていたが過眠症状のため働くことが難しくなった場合、とにかく会社を辞める前に受診してください。障害年金の2階建て以外に、「傷病手当金」という健康保険の制度があります。この傷病手当金は障害年金ほどハードルは高くないです。
生活保護の受給を検討せざるを得ない場合もあると思います。生活保護というとネガティブなイメージがあって、申請をためらう方も多いとは思います。ただ、過去に税金を支払ってきたこと、また将来において働いて税金を払えば良い話で、現在困っているんだから一時的に生活保護を受給するというのは、まったく問題ありません。
「家族や親族に知られたくない」という方も多いと思います。生活保護を申請すると扶養照会が家族や親族に行きます。自治体によって温度差はありますが、「家族・親族から虐待を受けていたから照会しないでほしい」と伝えると、照会しない配慮をしてくれる自治体もあります。
この生活保護の額ですが、地域によっても差異があります。大都市は高め基準になっています。障害年金の2級・1級を受給できれば、障害者加算というものがあり、2級で月15,000円程度上乗せがあります。単身で、家賃入れて月11~14万円程度の生活保護費に1万5千円程度が上乗せされると考えると、物価高の現在、非常に助かる金額だと思います。
話が広がってしまいました。ちょっとまとめると、
社会人の方は、厚生年金・健康保険がかかっている在職中に「精神科」または「心療内科」を受診すべし!
です。もちろん、症状やその方の居住地や環境等でベストな科は変わると思います。ただ、在職中に「精神科」や「心療内科」を受診する選択はベストかどうかは断言できませんが、少なくともベターな選択肢であると考えています。