NPO法人日本過眠症患者協会 代表理事の藤井です。
「良く寝ることは、よいことだ」と思っています。おそまきながら、私の過眠症体験談について紹介させてください。
基本情報:50歳男性
住んでいるところ:岡山市内
家族:かわいい奥さん、保護ねこのくろちゃん
既往歴:うつ病、脳波異常
その他:ADHD傾向あり(奥さんに言わせると「ADHD以外の何物でもない」らしいです)
日中の耐え難い眠気が襲ってきて、それが継続して、仕事や日常生活に支障が出だしたのは今から25年くらい前です。「朝は起きることができるが、日中の覚醒維持が難しい」という症状でした。具体的には「お昼のお弁当を食べながら途中で寝落ちする」「信号待ちで寝る」「人との会話中に眠気が来て、会話がちぐはぐになってしまう」などです。
日中眠たいと「怠けている」とのレッテルが貼られやすく、今でもそうかもしれませんが、当時は現在よりも理解は少ない風潮にあったと感じています。
当初は「夜よく寝れてないのでは」と思い、睡眠時間を多めにとるように心がけました。睡眠時間を増やすって言っても、10時間強くらいまでが限度で、日中は薬局などで売っているカフェイン含有製品(錠剤やドリンク)の摂取でなんとか乗り切ろうと考えました。
カフェインの錠剤やドリンクで覚醒維持が可能ならそれにこしたことはなかったのですが、「効かなかった」または「効いていても眠たい」という状態で、次に疑ったのが「いびきがうるさい」とのことだったので「睡眠時無呼吸症候群」でした。
岡山市内の病院で予約を取り、1泊する「PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)」を受けました。結果は「AHI(無呼吸低呼吸指数)」は「4」で「睡眠時無呼吸症候群」の診断は出ず。病院からは「お大事に」で終わってしまいました。
「いや、でも日中耐え難い眠気が来てとても困ってるんだよ」と思い、次に兵庫県内にある病院で「MSLT検査(反復睡眠潜時検査)」を受けました。平均睡眠潜時は1分台だったものの、レム睡眠の出現回数の関係で「ナルコレプシー」ではなく「特発性過眠症」と診断されました。
現在は服薬によって日中の覚醒維持をすることができています。薬自体には依存性は低いとのことなのですが、服薬しないと日中の覚醒維持は難しいため、心理的に薬に依存している感じはしています。
1年半ほど前に近所の内科から紹介状を書いてもらい、もう一度「PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)」を岡山市内の同じ病院で受けました。近所の内科に返ってきた結果は、「AHI(無呼吸低呼吸指数)」は「40」を超え「重度の中枢性優位の睡眠時無呼吸症候群」とありました。
「中枢性優位」が最初ピンとこなかったのですが、一般的な睡眠時無呼吸症候群は「閉塞性」だそうで、「中枢性」は「寝てるときになぜか脳が呼吸を止める信号をだしている」というもののようです。
内科の先生に「服薬での治療を希望する」旨を伝えると「ダイアモックス」という薬を処方してくれました。しかし、10日ほど服薬を続けていたところ顔面下半分にしびれが出てきて、服薬をいったんやめたところ、しびれが取れたので、おそらく「ダイアモックス」の副作用だったと思われました。
その後、検査を受けた病院で睡眠時無呼吸症候群の医師に相談。「服薬希望」の旨伝え、「ダイアモックス」の名前を出したところ、「利尿剤(ダイアモックス)が何に効くのか理解できない」「中枢性の睡眠時無呼吸症候群にダイアモックスの保険適用があることと投薬治療するかどうかは別問題。」と一蹴され、「治療できる薬はない」「シーパップか治療しないかの2択しかない」と言われました。
服薬での治療希望だったのですが、専門の医師にそう言われたら仕方がないので、シーパップ治療をすることにしました。ただ、私には「口開けて寝るクセがあること」「一晩中、寝言を言っていること」などから、当初より、シーパップの使用には不安しかなかったのですが、その不安がど真ん中で的中しました。
まず、空気が鼻と口をぐるぐる回って鼻が痛くなり眠れない。息苦しくなりシーパップをバサッと外してしまう。その直後に眠りに落ちる。とてもつけたまま眠りに入れるものではなく、医師とシーパップのレンタル元に相談。シーパップ治療をやめることにしました。
検査した病院から近所の内科に返ってきた報告書には「シーパップよりASVの方が効果的だと思われる」との記載があったため、「ASVを試したい」と相談してみましたが、「ASV治療は保険適用にならず自費になる」と言われ断念。「なんでかなぁ」との思いはありました。※役所に聞いてみたところ「心不全」などがないとASVは保険適用にならないようです。心不全の既往歴や兆候はありません。
AHIが4だった前回と40を超えていた今回とで何が違うか考えてみました。前回と違う点は、「覚醒する薬を服薬している」「抗てんかん薬の服薬をしていない」ことでした。今までてんかん発作を起こしたことはないのですが、20代の頃にした脳波検査でスパイク波が見つかっており、前回検査時には予防的に抗てんかん薬を飲んでいました。今回の検査時は「眠気を誘う可能性がある」ことから、抗てんかん薬の服薬をやめていました。
中枢性の睡眠時無呼吸症候群が、「寝ている時に、不要な電気信号を脳が出して呼吸を止めている」とするならば、
「夜間睡眠中、抗てんかん薬が不要な電気信号を脳が出すのを止めていた」→AHIが4と低い(前回検査)
「抗てんかん薬をやめたことにより、夜間睡眠中に脳が不要な電気信号を出している」→AHIが40を超えた(今回検査)
のではないか、これも医師に伝え、抗てんかん薬が効いたスウェーデンでの研究報告があるとの報道記事も見せたのですが、「怪情報だ」と一蹴され・・・どうしようかと思ったところ、待合いで看護師さんと話ができました。「今見てもらっている総合診療科や内科ではなく、神経内科で見てもらったらどうか」との話になり、「かかりつけから神経内科への紹介状を書いてもらってください」と看護師さんに言われたので、かかりつけに相談し、神経内科への紹介状を書いてもらいました。
神経内科への予約を取ろうと電話したところ、「睡眠時無呼吸症候群なら、総合診療科か内科ですよね」と言われ、事情を説明。「話をした看護師に確認します」と言われ、すぐに信じてもらえませんでしたが、何とか神経内科につないでもらうことができました。
この神経内科の先生は、とても良く話が通じました。「どの抗てんかん薬を使うかは先生が判断する」と言われ、リボトリールという抗てんかん薬を出してくれました。
リボトリールを飲みだしてから3か月くらいになります。効果は自分では分かりません。ただ、夜寝ている間「ずっとしゃべり続けていて、とてもうるさい」(奥さん談)らしく、「改善してるのかな、どうなのかな」という状態です。
「睡眠時間を削って○○する」ことが美化される風潮がありますが、これには大きく疑問を持っています。「良い睡眠をしっかりととることは、とても良いこと。」と考えています。良い睡眠をしっかりとると、日中のパフォーマンスも上がります。
また、「日中、眠たいと怠けている」と決めつけられる風潮にも疑問を持っています。「夜遊びなどのために、睡眠不足で日中眠たい」のは本人に帰責性があると思いますが、「10時間以上寝ても、日中眠たい」「どうしても朝起きられない」など、本人に帰責性が認められない諸事情を汲まずに「怠けている」と決めつけるのはどうかと思っています。
人は24時間戦い続けることはできません。「良い睡眠をしっかりとって、よく勉強する/働く」これが肝要だと考えています。
さて、今年の当法人の事業計画ですが、
第44回 健康博覧会(2026年2月25日~27日 10:00-17:00、東京ビッグサイト東4/5/6ホール)でのブース出し
過眠症交流会(2026年4月か5月頃予定、東京方面および岡山市内予定)
ほか
とする予定です。
過眠症交流会については、決まり次第お知らせします。
健康博覧会についてはhttps://www.this.ne.jp/をご参照ください。
では。