日中に耐え難い眠気が来て覚醒の維持が難しいという過眠症状が来た時に病院を受診して診断名が付いたとします。
この診断名に対して、ご本人やご家族の受け入れやすさは疾患によって温度差があると感じています。平たく言うと、「○○という診断名は受け入れやすいが、△△という診断名は受け入れられない」というものです。
「自分はその診断名じゃない」と納得できず、自分の納得できる診断名をくれるまで、医療機関を回るという人はいます。
元々、「Aという診断基準に当てはまる」ことと「本当にAという病気である」ことは必ずしも一致しません。もちろん一致するケースも多いです。風邪とかインフルエンザとかは分かりやすいですが、過眠症や精神疾患、発達障害などは「医療機関や医師によって診断名が変わる」ことは、”あるある”です。
個人的には、
・睡眠不足症候群は受け入れにくい
・ナルコレプシー/特発性過眠症などは受け入れやすい
・統合失調症や躁うつ病は受け入れにくいが、発達障害はまだ受け入れやすい
・睡眠時無呼吸症候群やてんかんは検査結果から分かるので、まぁ、受け入れられる
という傾向があると感じています。
「障害年金の初診について」でも触れたのですが、社会保障制度上強いのは、「うつ/躁うつ」や「統合失調症」「発達障害」「てんかん」「睡眠時無呼吸症候群」などです。逆に社会保障制度上強くないのは「過眠症(ナルコレプシーや特発性過眠症など)」です。弱いのは「睡眠不足症候群」です。
こう考えると「発達障害」は割と受け入れやすい方に入り、社会保障制度上も強いって言えるかもしれません。
「睡眠不足症候群」は、言ってみれば「もっとよく寝ろ」ってことで、本人も受け入れがたいし社会保障制度上も弱い。ただ、「もっとよく寝れば早期に治る」可能性が高く、健康体に戻るのは一番早いかもしれません。他の疾患は、言ってみれば長期に付き合っていかないといけなく、通院の手間や病院代、お薬代などがずっと負担となっていきます。
「本人が睡眠不足と認識していないのが一番の問題」という睡眠障害を取り扱っている病院/クリニックさんも多いです。ただ、病院やクリニックさんもお客さん相手商売なので、グーグルの口コミなどに「この病院は、勝手に睡眠不足と決めつけた。 ☆1つ」とか書かれると、やはり運営上マイナスになってしまいます。例えば「特発性過眠症」と診断してお薬を処方しておくと、口コミに悪い評価はつきにくいからそうしているというところもあると聞いています。
ホントはね。睡眠不足の方に睡眠不足と言うお医者さんの方が良いんですよ。睡眠不足なら早期に治って健康体になれますから。モディオダールやリタリン(コンサータ)、そういった「精神賦活剤」は、極論言えば、医療用の覚せいさせる錠剤なんですよ。医薬品として承認されているとはいえ、身体によいとは言えません。それを飲み続けるリスクって低くないと思ってます。ただ、日中の覚醒維持が困難で、仕事や日常生活に支障がでていて、リスクを上回るメリットがあるから服用している訳です。
「睡眠不足かどうか判断できないし、仕事や学業の関係から睡眠時間を増やすのって難しいよ。」って声も聞いています。ただ、睡眠不足の場合、「仕事や学校がある日の睡眠時間」と「仕事や学校が休みの日の睡眠時間」を比べてみて、休みの日の睡眠時間が長くなるという傾向があるのは間違いないです。
例えば、「仕事や学校がある日は5~6時間睡眠で、休みの日は10時間寝る」というのは、仕事や学校がある日は睡眠借金をしていて、休日にそれを返しているということになります。
睡眠不足というのは受け入れがたいという方、その気持ちは察することはできます。睡眠の量を増やすことが難しくても、睡眠の質を向上させることで睡眠不足が解消されるケースもあります。
反論等はあると思いますが、精神賦活剤を飲み続けないといけないリスクを抱えている者としては、ある意味、睡眠不足の方は早期に治る可能性があり、うらやましいと感じる面も持っています。
「自分の納得いく診断名がつくまで病院をはしごする」というのは、個人的には手間とお金がもったいないなと考えています。「希少疾患の診断名がつくまで、いくつも病院をはしごした」とか聞くと、治るのが目的なのか診断名をもらうのが目的なのか分からなくなります。その希少疾患が社会保障制度上強いのなら良いかもですが、たいがいはそうではありません。
「なるべく早く治って健康体になって、仕事や学校をがんばる!」「早く治療を受け、その治療は継続となるけど、仕事や学校を頑張る!」これらが重要なのではないでしょうか。
ご自身を睡眠不足であると受けとめられることには敬意を持っています。
では。